春本番となって、庭のバラにもいくつか蕾が見えはじめている。
満開の桜が散る頃は、バラを育てる人にとって一年中で一番嬉しい季節の到来。
みずみずしい新葉が春風に揺れる様子を、鼻の下を伸ばしながら眺めている人もいるだろうし、「あ、ここにも蕾が!」などとにやにやしている人も多いだろう。
私もそんな一人・・・暇があれば庭に出てバラのご機嫌を伺う。アブラムシやバラゾウムシなどの虫チェックも忘れない。テントウムシやヒラタアブを見つけると、そっとエールを送る。
こうなると、自分はバラの下僕なのではないだろうか?とさえ思える。
私はバラを育てているが、世に言われている『バラ病患者』とはちょっと違う。『ただのバラ好き』・・・かな。
今のバラ・ライフに充分満足しているし、バラをこれ以上増やそうとは思わない。今あるバラだけで充分―――というか、それ以上種類をふやしても育てる自身がないのだ。
ただ、庭にバラがなくなったら生きる張り合いがなくなるだろうなぁ・・・とは思う。
そんな私が一番最初に育てたのは、つるバラ“ニュードーン”。もう10年近い付き合いだ。
当時私は庭をこつこつ整地しては草花を植えていた。そんな時、ご近所のバラ好きの方から“ニュードーン”の切花を数本いただいた。『挿し木したら根付くかもしれないよ』と、彼女が庭から切ってきてくれたものだ。
私はその頃バラにまったく興味がなかった。『バラは肥料喰いで病気に弱く、農薬を大量に使わないと綺麗に育てられない』というイメージがあったのだ。しかしその切花は『遠慮しておきます』と断る事ができないほど綺麗でいい香りがしていた。私はその花をありがたくいただいて、鉢に適当に(^-^;)挿しておいた。
結局“ニュードーン”の挿し木は全て根付き、無農薬でその上肥料もろくに施さなかったにもかかわらず、2年目の春にはフェンスいっぱいにふっさりとしたパールピンクの花を咲かせてくれた。
思えば、最初に育てた“ニュードーン”が、私をバラ好きにさせてくれたのかもしれない。大雑把な私でも立派に咲かせる事ができる健康優良児タイプのバラだったのだ。
もしこれが育てにくく病気がちで花があまり咲かないような難しいバラだったら、私は一生バラ好きにはならなかっただろうな。

“ニュードーン”は今年も、トゲだらけの幹から艶やかな新芽をわさわさ出して、咲く気満々に見える。
私をバラの世界へ導いてくれたバラ・・・これからもよろしくね。
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